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真言宗大覚寺派二上山眞光院の写経とは

「写経」とは経典を書写する事をいい現代では一般的に「般若心経」の写経をさすことが多い。

真言宗大覚寺派二上山眞光院の写経のすすめ

大本山大覚寺の「御写経を奉納いただきました御方へ」より抜粋

大覚寺は、平安時代のはじめに嵯峨天皇によって浄写された『嵯峨天皇宸翰(しんかん)勅封心経(天皇御みずから自ら浄書祈願され、詔勅(しょうちょく)によって封印された写経)』を奉じ、嵯峨天皇に請われた弘法大師が般若心経の教えについて解説された際の御姿である「秘鍵大師」をお祀りする般若心経写経の本山です。

お大師様は、般若心経には数多い仏門の教えのすべてが含まれ、このお経を唱え、学ぶならば苦しみから解放され、実践し観じるならば仏道を極めることができると説かれています。これは般若心経の大きな功徳と深い教えを示されてものです。

嵯峨天皇の御写経は、お大師様の御祈願もあって大きな効験を発揮し、疫病が去り、安泰な治世が続きました。歴代の天皇はすすんでこれにならい、大覚寺に御写経をお納めになることを常としたのです。これがこんにち広く行われている般若心経写経の起源であり、大覚寺が「写経の根本道場」と呼ばれているゆえんでもあります。

大覚寺は現在、宗団をあげて檀信徒写経奉納運動を展開しております。今回の奉納が、さらなるご精進へのよき法縁となりますことを願っております。

真言宗大覚寺派二上山眞光院の写経の作法

般若心経の作法その1-準備するもの
書道具
手本
写経用紙
心構え・手順
  1. 一、手を洗い、口をすすいて身を清める。
  2. 二、香をたき、室内を清める。
  3. 三、着座し、墨をすり、心を鎮める。
  4. 四、合掌礼拝
  5. 五、開経偈(かいきょうげ)- 経典を読む(読経)前に読まれる仏の教えや仏・菩薩の徳を称える韻文の読み上げ。
  6. 六、表白読誦(ひょうはくどくじゅ) - 今から執り行う儀式 - 写経 - の開催趣旨等を述べたものを読み上げる。
  7. 七、浄写(無我の境地に入り、至心に写経する)
  8. 八、祈念(願いごとを書き、念ずる)
  9. 九、般若心経読誦(合掌し、浄書した写経に目を通しながら唱える)
  10. 十、「大随求菩薩」御真言三遍
  11. 十一、願文読誦
  12. 十二,廻向(えこう)
  13. 十三、合掌礼拝(退座)
留意すべきこと
一、心をこめて書写した写経は尊いものとして、仏像などと同様に特別な扱いをするように気をつけたいものです。
一、姿勢は肩に力を入れず、緊張のない自分の最も美しい自然体で行います。椅子に座る場合は、浅くも深くもなく腰掛け、背すじをまっすぐ伸ばし、背中は腰掛にもたれさせないようにします。
一、『般若心経』を書写する場合は、一時間ほどで書き上げるのが良いでしょう。また古来より一字三礼(いちじさんらい/経文を書き写す時、一字写すごとに、三度礼拝すること。)といって浄書する法もあります。

写経される方は僧侶指導のもと浄書して頂きます

当山で浄書された写経はすべて大本山大覚寺にご奉納の上ご祈念しております。

開経偈

無上甚深(じんじん)微妙(みみょう)の法(ほう)は
百千万劫(ひゃくせんまんごう)にも遭遇(あいあ)うこと難(かた)し
我(われ)いま見聞(けんもん)し受持(じゅじ)することを得(え)たり
願(ねが)わくは如来(にょらい)の真実義(しんじつぎ)を解(げ)し奉(たまわ)らん

表白読誦

それ佛法(ぶっぽう)はるかに非(あら)ず心中(しんじゅう)にして即(すなわ)ち近(ちか)し
  しんにょ真如 ほか外にあら非ず
  身(み)をすてて何(いづく)んか求(もと)めん
  迷悟(めいご)我(われ)に在(あ)れば
発心(ほっしん)すれば即(すなわ)ち到(いた)る
  明暗(みょうあん)他(た)に非(あら)ざれば
  信修(しんし)すれば忽(たちまち)に証(あか)す
弘法大師の曰(たま)わく
  文殊(もんじゅ)の利剣(りけん)(な)は諸戯(しょけ)を絶(た)つ
  覚母(かくも)の梵文(ぼんもん)(な)は調御(じょうご)の師(し)なり
 チクマンの真言(しんごん)を種子(しゅじ)とす為
 諸教(しょきょう)を含蔵(がんぞう)せる陀羅尼(だらに)なり
 無辺(むへん)の生死(しょうじ)は何(いか)んが能(よ)く断(た)つ
 唯(ただ)禅那(ぜんな)正思惟(しょうしゆい)のみあってす
 尊者(そんじゃ)の三摩(さんま)は仁(にん)譲(ゆず)らず
 我(わ)れ今(いま)至心(ししん)に懺悔(ざんげ)し
 謹(つつし)みて般若心経(はんにゃしんきょう)を写経(しゃきょう)し奉(たてまつ)る

「大随求菩薩」御真言

をん。ばらばら。さんばら さんばら。いんだりや。
びしゅだに。うんうん。ろろしゃれいそわか。

願文読誦

真言は不思議(ふしぎ)なり
 観誦(かんじゅ)すれば無明(むみょう)を除(のぞ)く
 一字(いちじ)に千理(せんり)を含(ふく)み
 即身(そくしん)に法如(ほうにょ)を証(しょう)す
 行々(ぎょうぎょう)として円寂(えんじゃく)に至(いた)り
 去々(ここ)として原初(げんしょ)に入(い)る
 三界(さんがい)は客舎(かくしゃ)の如(ごと)し
 一心(いっしん)はこれ本居(ほんこ)なり
仰(あお)ぎ願(ねが)わくは
 一字一文(いちじいちもん)法界(ほっかい)に遍(へん)じ
 三世十方(さんぜじっぽう)の諸仏(しょぶつ)に供養(くよう)し奉(たてまつ)る

廻向

願わくはこの功徳(くどく)をもって
あまねく一切(いっさい)に及(およ)ぼし
我等(われら)と衆生(しゅじょう)と皆(みな)ともに
仏道(ぶつどう)を成(じょう)せんことを

真言宗大覚寺派二上山眞光院の般若心経の写経

淳仁天皇詔勅(抜粋)

摩訶般若波羅蜜多(心経)は、諸仏(しょぶつ)の母(はは)なり。
四句(しく)の偈(げ)羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶(ぎゃていぎゃていはらぎゃていはらそうぎゃていぼうじそわか)
等(とう)を受持(じゅじ)し読誦(どくじゅ)すれば、福寿(ふくじゅ)を得(う)ること思量(しりょ)すべからず。
之(これ)を以(も)って、天子(てんし)念(ねん)ずれば、兵禍(へいか)災難(さいなん)国裡(こくり)に入(はい)らず、
庶人(しょにん)念(ねん)ずれば、疾疫癘気(しつえきれいき)家中(かちゅう)に入(はい)らず、惑(わく)を断(た)ち祥(しょう)を獲(え)ること、
之(これ)に過(す)ぎたるはなし。宜(よろ)しく天下諸国(てんかしょこく)に告(つ)げ、男女老少(なんにょろうしょう)を論(ろん)ずる
ことなく、口(くち)に閑(しず)かに般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)心経(しんきょう)を念誦(ねんじゅ)すべし。
続日本紀第二十一巻より
般若心経
摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五
蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不
異色色即是空空即是色受想行識亦復如
是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
不増不減是故空中無色無受想行識無眼
耳鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至
無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死
亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無
所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無
罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢
想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜
多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等
呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜
多呪即説呪曰
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶
般若心経

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真言宗大覚寺派二上山眞光院の年間行事の滅罪行三度参り

真言宗大覚寺派二上山眞光院の年間行事の滅罪行三度参りは毎年夏にとり行われます。
写経により、日々起こる「欲をむさぼる心」・「怒りの心」・「愚痴をこぼす心」 この「貪・瞋・痴」の三毒、煩悩を洗い清める事で、無量の功徳を得て 悟りに至る事が出来るとされています。
眞光院では御写経のほかにこの三毒を洗い清める行を毎年夏、「滅罪行三度参り」としてとり行っています。